永遠に生きるつもりで夢を抱き、今日死ぬつもりで生きろ。
※(ツアーのネタバレ、めちゃくちゃに厨二で陰鬱な解釈、個人的考察に溢れた内容ですのでご注意ください)
クライマックスは、その曲に与えられた。
数ある曲の中から選ばれたそれは特別な意味を持っている気がした。
始まりがあれば終わりがあり、終わりがあれば、また始まる。
それは死であり、生であると思った。
ラストの曲。静かで、どこか切ないイントロが流れ出す。「CRY」のピアノの音。会場の中央に視線が集まり、そのステージはせり上がる。
CRYを踊るメンバーの表情は、顔をしかめて苦しそうだったり、泣きそうだったり、どこか達観してるように見えたりもした。ワイドショーで今回のツアーは「喜怒哀楽」を入れ込んだ、と言っていた。涙が流れるような手の動きがあったり、青色に染まったスクリーンステージの上に立つメンバー。CRYはその”哀”の部分を強く感じる曲。
そして今回問題の演出がCRYの最後、暗転の中、
メンバーはステージ中央の穴に飛び降り、一瞬にして消える。
誰もいなくなったステージ。その上でははなむけのように紙吹雪がひらひらと静かに、でも絶え間なく舞い続けている。青いライトに照らされて染まるそれはまるで涙のようにも見えた。
ここ最近のSexyZoneのツアーにおけるラストといえば、曲の終わりに挨拶をし、手を振りながら きちんとばいばいとまたねのお別れを告げてから去る。
おかしい。例年通りではない。ましてや、曲の途中で消え、ただ紙吹雪舞う空虚なステージを見つめるしかない終わり方なんて。
例えば、優しく、青い恋人で終わっても良かった。幸せに笑いながらMy sweat heart My sweet loveで終わっても良かった。でもそうしなかった。最後に、この少し切ない、CRYを選んだ。それに加えてあの演出。これに意味を持たせなきゃおかしいと思った。
突然の終わりにお別れも言えずに、言わずに消えていってしまったセクシーたち。
突然訪れる別れ。即ち。
ふと最初のマリウスの案内で、ジェームズ・ディーンの名言と共にした説明を思い出す。
永遠に生きるつもりで夢を抱け。
今日死ぬつもりで生きろ。
まさか最初のこの言葉はもしかして、コンサート構成においての伏線だったのかもしれない…?
Photo Album Gathered Emotions by Sexy zone
PAGES。
勝利君が出した「人生の1ページ」というテーマから発展させた、今回のアルバムのタイトルであり、ツアーのコンセプト。フォトアルバムのような、ページを開ければ寄り添うような曲たち。
恋がはじまるよーー!!! と叫びながら 小学生の頃はじめて抱いた恋心、社会人になって耐え忍ぶ日々、一度は憧れるバンドや仲間、結婚。
そして。
そして? 最後にくる出来事。避けられないこと。
あぁ、セクシーたちは死を迎えたんだ。
突然、だけども必然的に訪れる別れ、即ち、それは死だ。
そう思った。
まさか、そんな日常の一ページの延長線上にある、誰しもが必ずたどり着くところまで描くのかと、終着はここだ、って言われている気がした。PAGESのE、エモーショナル詰まりすぎている。
嬉しくて流す涙のあと かけがえのない生命を抱きしめて
CRYの歌詞を読み返し、赤ちゃんが生まれて最初にすることは泣くことであり、周りもまた涙する場面もある。 これは生と死の隣り合わせにある曲だと思った。人生のページにおける最後はここでなくてはいけなかった。CRYでなくては、ならなかった。
後付け深読みをするとしたら、あの一瞬の暗転は最後のシャッターを押したと思えなくもない。
喪失感や焦燥感を与えられながらも必死にSexyZoneコールを叫ぶ。
彼らを待ち望む中、SexyZoneのイントロが聞こえる。アンコールは、SexyZone(曲)…。
産声だ。これはSexyZoneたちの産声だ!待合室(会場)に響く音色、産声。生まれた。生き返った、時代を作る人たちは、何度でも生き返ってうつくしい世界を創造するのか………!!
普通に就職して普通に結婚して普通に帰って普通に眠る、アイドルではない日常を生きたセクシーたち。生まれ変わりがあるならば。
穴の先は天国か、地獄か。もしくは別のどこかに繋がっているのか。おそらく穴に落ちたその先はアイドルとしての、SexyZoneとして立つステージ。*1
セクシーを見に会場に来た人間なら一度は聞いたことがあるデビュー曲のイントロ。無意識にでも反応してしまうその音は、赤ちゃんの泣き声に似てるような気がした。
それは死であり、生であると思った。
今回のPAGESツアーの演出構成はほとんどすべてが風磨くんだという。
CRYは死?そして生だ? いや、こんな陰鬱なことふ〜ま君は考えないか〜!ちょっと〜しもしも?ふ〜ま君にこの解釈あってる?!どう?よくない?!ってラインしといて! なんて冗談を友人に言っていたが改めて考えてみるとあり得なくない。だって生と死について、そして1日だけの命を精一杯に生きる題材のソロコンを彼がしていたことを思い出したから。
風 is I? のラスト、嵐の「素晴らしき世界」を歌い上げ、去った後スクリーンに流れた言葉たち。
みんなそれぞれ別々に日々とたたかっていても、同じ夜を乗り越えて、同じ朝日を待とう。なんでもない今日は 昨日の誰かが夢見た明日だから。
永遠に生きるつもりで夢を抱き
今日死ぬつもりで生きろ
このコンサートは2017年夏に行われたものだが、ちょこっと調べたところによると2012年の雑誌でも風磨くんはすでにこのジェームズ・ディーンの名言を好きと発言している。マリウスが紹介していたし、好きそうな言葉だなぁと思っていたけど、根本の発案はきっと風磨くんなのだろう。
永遠に生きるつもりで〜の部分だけを今回ツアーにおいて紹介していたが、きっとこの前の節の意味合いも合わさってついてきているだろうと思う。個人の活動も多いセクシーたち、聡ちゃんの不在。夢見た明日。
別々の場所や気持ちを抱えていても、どうか、どうか同じ夜を越えて、同じ朝日を迎えてほしい。
(そしてSexyZone(曲)のあとの曲は「ぎゅっと」。それでも夜は明ける けれど、君にとってはツラいんだろな。まじで一貫してる風磨くんの精神)
あの生と死を題材にしたコンサートの還元が今回のPAGESツアーにされているとしたら、あのCRYにおける落下はイコールとされるのだろうか。
メメントモリ
CRYについてメンバーが口にしている部分がパンフレットにあった。マリウスの質問インタビューコーナー。
今回のアルバムの曲での、好きなフレーズを質問されてマリウスはCRYの一説を答えていた。「Life is so… so beautiful Go Love yourself」の部分をあげて、僕も同じコンセプトで生きてるから、と修飾した。
あなた自身を愛する世界は美しい。
自分を好きになってもらうためにはまず自分を愛さなくちゃ! とマリウスの声がする。(幻聴)
生きるコンセプト、つまりは人生の標準や掲げるもの。
そういえば同じページに「人生は◯◯である」の質問があったことを思い出す。”同じコンセプトで生きてる。”
人生。
人生は◯◯である。に入る言葉は「死ぬこと。みんな平等にあるのは死って言うでしょ? 子供の頃それを一番初めに分かった時に、"よし、死ぬ時に後悔しないようにたくさん生きよう!"って思えたから」
最初の「永遠に生きるつもりで夢を抱き 今日死ぬつもりで生きろ」を思わせる。マリウスさんのこの言葉はこれよりも、メメントモリの概念に近い気がする。
メメントモリ 、「自分が必ず死ぬことを忘れるな」、「死を忘るなかれ」という意味の警句。芸術作品のモチーフとして広く使われる。 人は何時かは必ず死ぬ。その時を思い、生きている今を 大いに楽しみなさい。
今回、セクシーには珍しく振り切ったお笑いコーナーを作ったり、「貴方は今、本当に笑えていますか?」との問いかけをしていることから、感情、楽しんでもらう、笑ってもらう、この辺りを重要視してるように感じた。今日の、今の公演は、その瞬間にしか存在しない。瞬間を切り取るような写真の演出。
・CRYについて同じコンセプトで生きていると言ったマリウスさん。
・"よし、死ぬ時に後悔しないようにたくさん生きよう!" と思ったマリウスさん。
,死を迎える時に分かる、生きる意味。
CRYの歌詞・演出、『永遠に生きるつもりで夢を抱き、今日死ぬつもりで生きろ。』、メメントモリ。
すべてがイコールで完璧につながることはないかもしれないけれど、どこか共通項を感じた。
CRYの最後の演出。おわかれもまたねも言えずに去ってしまったひとたち、走馬灯のように流れるエンドロール映像。はなむけのようにも、青い涙のようにも見える舞い散る紙吹雪。 たしかにここにいた。生きた証を、セクシーたちは刻み続けている。
アイドルは、ライブは、人生は、生と死の連続だ。
命を削る、魅せるアイドル。
フォトアルバムが閉じる。
ライブのおわり。人生の終わり。
かけがえのない生命を抱きしめて。
そういばふ〜ま君は、ドリボ千秋楽の日に、楽屋の隅っこにちっちゃくなって、さみしい、終わりたくないよお~ と泣いてしまったマリウスに、「終わりがあるから、また始まりがあるんだよ」と声をかけてた。
今日死ぬつもりで生きろ。死と生の相反する言葉が、この矛盾にも近い言葉の並びを、ポジティブにわかりやすく変換するとするならば、風磨くんのこの言葉かもしれない。
Are we on the same page? = 同じページですか? 僕たち今、同じ気持ちだよね?
マリウスさんがツアーを通して「Yes,we are on the same page! 」になればいいね。と言っていた。
物語はその人の中にだけ生まれるし、それが人生で、ひとつしかないアルバムの1ページを日々瞬間更新していっている。同じものを見ても感じ方は違うかもしれない。どう感じても正解なんてないし、他人にはゼンゼンカンケイナイこと。でも、SexyZoneが好きと言う気持ちは同じだと思うし、同じであってほしいと思う。どうか同じPAGESを増やしてたくさんのアルバムを飾っていきたい。
PEGAS、人生の一ページ、その最後に訪れたCRYの曲、演出は。人生とは生と死だ。
個人的に考えた、CRYに重きをおいた考察でした。ラスト、無事に完走できますように。ツアーが終わったらこたえをきけるのかな。総括、楽しみに待ってます。